はじめに
IB Biology IAを始めると、多くの生徒が最初に悩むのがResearch Questionの設定です。「テーマは決まったけれど、Research Questionがうまく書けない。」
「この問いで本当に評価されるのだろうか。」
そんな不安を感じる方も少なくありません。
IAでは、Research Questionが研究全体の土台になります。どれだけ丁寧に実験や分析を行っても、Research Questionが曖昧では高評価を狙うことは難しくなります。
この記事では、実際のBiology IAをもとにしたResearch Questionのサンプルを紹介しながら、「評価されるResearch Questionにはどのような共通点があるのか」を解説します。
高評価Biology IAのResearch Question例
まずは実際のResearch Questionを見てみましょう。
植物に関するテーマ
- 小麦(Triticum aestivum)の成長において、異なる波長の光(450、500、550、600、650 nm)は屈光性による屈曲角度にどのような影響を与えるか。
- 木灰溶液を用いて調整した土壌pH(5.5、6.0、6.5、7.0、7.5)は、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)の茎の成長にどのような影響を与えるか。
- 鉄(III)塩化物の濃度(0、2、4、6、8 mg/L)は、ウキクサ(Lemna minor)の葉の数にどのような影響を与えるか。
- 硝酸カリウム濃度(0.00、0.20、0.40、0.60、0.80 mol/L)は、ダイズ(Glycine max)の発芽率にどのような影響を与えるか。
酵素に関するテーマ
- 温度(25、35、45、55、65℃)は、バナナ(Musa acuminata)から抽出したカタラーゼの酵素活性にどのような影響を与えるか。
- ブラックシード(Nigella sativa)抽出液濃度(0%、10%、20%、30%、40%)は、アミラーゼ活性にどのような影響を与えるか。
微生物・食品に関するテーマ
- 次亜塩素酸ナトリウム濃度(0.15%、0.30%、0.50%、0.75%、1.00%)は、枯草菌(Bacillus subtilis)の阻止円の直径にどのような影響を与えるか。
- マロン酸濃度(0、10、20、30、40 mM)は、パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)の増殖にどのような影響を与えるか。
- エタノール濃度(10%、20%、40%、60%、80%)は、スキムミルクから沈殿するカゼインの重量にどのような影響を与えるか。
一見すると扱っている内容はさまざまですが、どのResearch Questionにも共通する特徴があります。
良いResearch Questionの共通点
① 独立変数が明確
「温度」「pH」「濃度」「波長」のように、何を変化させるのかが一目で分かります。② 従属変数が具体的
「発芽率・葉の枚数・酵素活性・ビタミンC含量・阻止円の直径」など、実際に測定できる指標が設定されています。③ 対象が限定されている
「植物」ではなく「ウキクサ」、「酵母」ではなく「パン酵母」のように、生物種まで明記されています。対象が具体的になることで、研究の焦点が明確になります。④ 独立変数の範囲が示されている
Research Questionを作るときのチェックリスト
最後に、自分のResearch Questionを見直す際は、次の5項目を確認してみてください。- 独立変数は1つに絞られているか
- 従属変数は定量的に測定できるか
- 対象となる生物や試料が明確か
- 実験条件が具体的に示されているか
- 実際に学校で実施できる内容になっているか