はじめに
IB Physics IAを始めると、多くの生徒が最初に悩むのがResearch Questionの設定です。「テーマは決まったけれど、Research Questionがうまく書けない。」
「この問いで本当に評価されるのだろうか。」
そんな不安を感じる方も少なくありません。
IAでは、Research Questionが研究全体の土台になります。どれだけ丁寧に実験や分析を行っても、Research Questionが曖昧では高評価を狙うことは難しくなります。
この記事では、実際のPhysics IAをもとにしたResearch Questionのサンプルを紹介しながら、「評価されるResearch Questionにはどのような共通点があるのか」を解説します。
高評価のPhysics IA Research Question例
力学・運動に関するテーマ
- 温度(10、23、30、40、50、60、70、80、90、100℃)は、銅線の電気抵抗にどのような影響を与えるか。
- 芝生の含水量(乾燥、3、6、10、15 mm)は、サッカーボールと芝生の間の運動摩擦係数にどのような影響を与えるか。
- 液体の密度(塩化カリウム0、3、6、9、12、15 g添加)は、液体の冷却速度にどのような影響を与えるか。
- ゴルフボールを転がす斜面の傾斜角(5、10、15、20、25°)は、ボールの加速度にどのような影響を与えるか。
- 振り子の支点からおもりの中心までの距離(6、8、10、12、14 cm)は、単振り子の周期にどのような影響を与えるか。
- ビー玉の質量(0.0050、0.0100、0.0150、0.0200、0.0250 kg)は、水中での終端速度にどのような影響を与えるか。
- 物体の表面積と質量の比(0.15、0.20、0.30、0.40、0.55 m²/kg)は、終端速度にどのような影響を与えるか。
- 単振り子のおもりの半径(7.0、14.0、19.0、24.0、29.0 mm)は、減衰定数にどのような影響を与えるか。
- 落下の高さ(0.20、0.40、0.60、0.80、1.00 m)は、DC発電機の最大電力出力にどのような影響を与えるか。
波動・音・振動に関するテーマ
- 音波の周波数(200、300、400、500、600、700、800、900、1000 Hz)は、音の減衰係数にどのような影響を与えるか。
- 弦の張力(2、3、4、5、6 N)は、定常波の第2倍音の共鳴周波数にどのような影響を与えるか。
- ギター弦の張力(25、29、33、37、41、45、49 N)は、基音の周波数にどのような影響を与えるか。
- 容器内の液体の高さ(5、10、15、20、25 cm)は、アラソニック効果による音の高さにどのような影響を与えるか。
電気・材料・熱に関するテーマ
- 空気圧(4、6、8、10、12 psi)は、バスケットボールの反発係数にどのような影響を与えるか。
- 温度(30、40、50、60、70、80℃)は、銅線の電気抵抗にどのような影響を与えるか。
- 温度(15、25、35、45、55℃)は、アカシアハチミツの粘度にどのような影響を与えるか。
- 温度(25、100、125、150、175、200℃)は、銅線の電気抵抗にどのような影響を与えるか。
- 温度(15、20、24、30、35、40、45、50℃)は、SAE 10W-40モーターオイルの動粘度にどのような影響を与えるか。
- 導線の直径(0.20、0.30、0.40、0.50、0.60 mm)は、銅線のヤング率にどのような影響を与えるか。
光学・流体・その他のテーマ
- 砂糖水の濃度(0、10、20、30、40、50%)は、溶液の屈折率にどのような影響を与えるか。
- 斜面の高さ(10、20、30、40、50 cm)は、一定距離における照度にどのような影響を与えるか。
- 斜面の高さ(10、20、30、40、50 cm)は、球が転がる時間にどのような影響を与えるか。
良いResearch Questionの共通点
① 独立変数が明確「温度」「pH」「濃度」「溶液の種類」のように、何を変化させるのかが一目で分かります。
② 従属変数が具体的
「収率・pH・時間・濃度」など、実際に測定できる指標が設定されています。
③ 対象が限定されている
使用する物品や液体の名前が明記され、研究対象が具体的であることで、焦点が定まっている印象を採点官に与えます。
④ 独立変数の範囲が示されている
高評価のIAでは、独立変数の範囲や使用する触媒、反応の名称が具体的に示されています。これは実験の再現性を高めることに加え、適切なデータ分析にもつながる点で、高評価を取りやすいです。
以上を踏まえると、良いResearch Questionとは「実験内容をそのまま一文で表したもの」と考えると良いでしょう。
Research Questionを作るときのチェックリスト
最後に、自分のResearch Questionを見直す際は、次の5項目を確認してみてください。- 独立変数は1つに絞られているか
- 従属変数は定量的に測定できるか
- 対象となる生物や試料が明確か
- 実験条件が具体的に示されているか
- 実際に学校で実施できる内容になっているか
まとめ
Research Questionは、IA全体の方向性を決める最も重要な要素の一つです。高評価を得ているIAを見てみると、「独立変数・従属変数・対象・条件」が明確に定義されているという共通点があります。今回紹介したサンプルを参考にしながら、自分の興味や実験環境に合わせて、具体的で測定可能なResearch Questionへとブラッシュアップしてみてください。良いResearch Questionができれば、その後の実験計画や考察も組み立てやすくなり、高評価への第一歩となるはずです。