はじめに
IB Math AAのIAで最初につまずくのがResearch Questionの設定です。
「テーマは決まったけれど、Research Questionがうまく書けない。」
「この問いで本当に評価されるのだろうか。」
こう感じる生徒は多いです。
IAではResearch Questionが研究全体の土台になります。どれだけ丁寧に数式処理やモデリングを行っても、Research Questionが曖昧では高評価は狙えません。
この記事では、実際のMath AA IAをもとにしたResearch Questionのサンプルを紹介しながら、評価されるResearch Questionの共通点を解説します。
高評価のMath AA IA Research Question例
以下は実際に高スコア(6〜7点)を獲得したIAのResearch Questionを分野別に紹介します。
最適化に関するテーマ
・微分を用いた最適化により、靴ビジネスの利益をどの程度最大化できるか。
・最適化の手法を用いることで、L'Hemisferic(バレンシアの建築物)を持続可能な建築コンセプトへとどのように変換できるか。
確率・統計に関するテーマ
・確率モデルは、Bolyai・Kenguru・Zrínyiといった数学コンテストで上位ランクを獲得するための最適な戦略をどのように導き出せるか。
・ポアソン分布とトレンド分析は、あるイングランド・プレミアリーグチームの成績をどの程度正確に予測できるか。
・人口増加モデルは、ドイツの人口推移データから2050年の人口をどの程度正確に推定できるか。
代数に関するテーマ
・複素数のn乗根は、それらが形成する多角形の面積と周囲長にどのような関係を持つか。
・曲線y=1/xの下にある領域に、円をどの程度正確にフィッティングできるか。
三角関数に関するテーマ
・三角関数モデルは、ボート漕ぎの動作をどの程度正確に表現できるか。
・双曲線三角関数と放物線方程式は、送電線の形状をどの程度正確にモデル化できるか。
関数に関するテーマ
・関数モデルは、新曲リリース後30日間のSpotify再生回数をどの程度正確に予測できるか。
・置換・対称性・補助関数といった基本的手法は、関数方程式の解法にどこまで有効か。
良いResearch Questionの共通点
① 数学的手法が明確
「ロジスティック関数」「カイ二乗検定」「行列変換」のように、どの数学的ツールを使うのかが一目で分かります。
② 対象となるデータや現象が具体的
使用するデータの種類、測定回数、期間などが明記され、研究対象が限定されています。
③ 評価の指標が示されている
「どの程度正確に予測できるか」「どのような影響を与えるか」のように、モデルの妥当性や関係性を検証する視点が含まれています。
④ 独立変数・パラメータの範囲が示されている
高評価のIAでは、試行回数やデータ範囲、次数などが具体的に示されています。これは検証可能性を高め、適切な数学的処理につながる点で評価されやすいです。
以上を踏まえると、良いResearch Questionとは「どの数学的手法を、何のデータに、どう適用し、何を検証するのかを一文で表したもの」と考えると良いでしょう。
Research Questionを作るときのチェックリスト
自分のResearch Questionを見直す際は、次の5項目を確認してください。
・使用する数学的手法(関数・統計手法・行列など)が明確か
・対象となるデータや現象が具体的か
・検証したい関係性や精度が明示されているか
・パラメータやデータ範囲が具体的に示されているか
・自分の数学的知識と入手可能なデータで実際に取り組める内容か
この5つを満たしていれば、Research Questionとしての完成度は大きく高まります。
まとめ
Research Questionは、Math AA IA全体の方向性を決める最も重要な要素の一つです。高評価を得ているIAを見てみると、「数学的手法・対象データ・検証の視点・パラメータ範囲」が明確に定義されているという共通点があります。
今回紹介したサンプルを参考にしながら、自分の興味や得意分野に合わせて、具体的で検証可能なResearch Questionへとブラッシュアップしてみてください。良いResearch Questionができれば、その後の数学的処理や考察も組み立てやすくなり、高評価への第一歩となるはずです。